華氏911

 出張先のサンフランシスコの劇場にて。
 英語がわからんところも少なからずあったが、期待が大きすぎたせいか不満が残る結果に。映画的な娯楽性と政治的メッセージをうまく同居させるのは至難の業なので仕方ないところもあるが、作品としては凡作である。ただし、こういう物を作れば今後の作家生命が危うくなったり、キチガイに命を狙われる危険があるにもかかわらず体を張ってブッシュ再選を阻止するマイケル・ムーアの意志の強さは敬服。男の生き方はこうでないとな。
 なお、劇場は超満員(もちろんポップコーンの匂いも超充満)、笑いどころのシーンと終了時は大拍手だった。もちろんこれを観に来ている人の多くはもともと反ブッシュのはずなので、劇場に同類が集まっているのを見て盛り上げようという気分になるわけだ。本屋にはクリントンの自伝が山積みだし、この映画も大統領選という祭りの一部を形づくっているのだろう。